カギ屋さんが解錠依頼を断る理由

個人のカギ屋さんにカギの修理や解錠を断れることが稀にあります。
件数が少なく儲かる仕事でもないのに、何故断るのかいぶかりたくもなります。
ですが、そこには理由があるのです。
当然人間ですから、「面倒」ということもあります。
しかしそれだけではありません。
雪の日に数キロ離れた山の中の一軒家に行こうとするでしょうか。
雪に対する車の対策をしなければなりませんし、途中事故でも起こしたら損失の方が利益よりも大きくなります。
雪の日に出張しようが、晴れた日に出張しようが費用は同じなのですから、避けたい気持ちはあるでしょう。
夜の出張はというと、夜中になれば断るカギ師がより増えるはずです。
眠い時に集中しなければならない仕事をするには無理があるからです。
誰でもそうでしょう。
そんな時は、大手のカギ屋さんに依頼するしかありません。
サラリーマンですから、会社の命令には絶対服従ですから。
個人のカギ屋さんは、雪の日も夜間も同じ理由、つまりリスク回避のために断っています。
リスク回避のために、同様に高級車の解錠を断ることもあります。
高級車はセキュリティが厳重で、カギの性能が高く容易に解錠できません。
しかし、断る理由はここにはないのです。
できなければ、いつかは解錠できるようにカギ屋さんが取り組むはずです。
ところが、取り組まずできないままにするのです。
断る理由は、対象が高級車ということにあります。
高級車ですから、部品も高級です。
解錠時の分解でドアの部品がドア内の奥深くさ迷ったら、どうなるでしょうか。
ドアを更に分解するのでしょうか、それを組み立てられるのでしょうか。
カギ屋さんはそこまではできません。
そして、最大の問題は内装です。
当たり前ですが高級車は内装がとても高くついているのです。
少しでも傷つけたら、弁償しなければなりません。
そうなったら、依頼をこなして得られる利益よりも、確実に損失が上回るのです。
カギ屋さんが断る理由は、リスク回避に他なりません。
「途中何かあっても、全責任は負う」と断言すれば、引き受けてくれるでしょう。